ノミ・ダニ駆除、フィラリア予防の薬として、ゾエティス・ジャパン株式会社が製造販売する「レボリューション6%」を猫に投与している方は多いでしょう。ところで、2018年10月に同社から新しい薬として「レボリューションプラス」が発売されたことはご存知でしょうか?
「レボリューション6%」から「レボリューションプラス」になったことで、以下の3つが変わりました。
- 駆除・予防できる寄生虫が4種→6種になった
- ノミ駆除の時間が短縮された
- 鉤虫駆除の効能を表記できるようになった
もしかしたら「いつも通っている動物病院で、いつのまにか切り換わっていた」という方もいるかもしれませんね。そこで、この記事では「レボリューション6%」と「レボリューションプラス」の新旧比較をしていきます。
新旧比較表

レボリューション6% | レボリューションプラス | |
ノミ | ○ | ○ |
ミミヒゼンダニ | ○ | ○ |
フィラリア(予防) | ○ | ○ |
回虫 | ○ | ○ |
鉤虫 | ×(※2) | ○ |
マダニ | × | ○(※1) |
ノミ駆除時間 | 48時間 | 24時間 |
レボリューションプラスになり変わったこと
1. サロラネルが加わりマダニを駆除できるようになった(※1)
旧商品の『レボリューション6%』で使われている有効成分「セラメクチン」に、有効成分「サロラネル」が新たに加わりました。それによりマダニを駆除する効能が追加されました。
宮崎日日新聞は2019年7月12日に、宮崎県内在住の60代と80代の男性2名が、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)で 死亡したと伝えています(参考)。
また国立感染症研究所によると、2019年6月26日現在、全国で66名が死亡したと発表しています(参考)。
SFTSはマダニを媒介する感染症で、猫・犬にも感染することが山口大学共同獣医学部の研究によって明らかにされています(参考)。
ところで『レボリューションプラス』で、SFTS感染を根本から防ぐことはできるのでしょうか? 早速、ゾエティス・ジャパンに確認したところ、
「SFTSを発症させる原因となる “SFTSウィルス” を駆除することはできません。ただ、SFTSの感染リスクを下げることはできるかもしれません」
との回答でした。
2. ノミ駆除の時間が48時間→24時間に短縮された
有効成分「サロラネル」が加わったことにより、ノミを100%駆除する時間が “48時間→24時間” に短縮されました。
3. 鉤虫駆除の表記ができるようになった(※2)
製造販売元のゾエティス・ジャパン株式会社に問い合わせたところ 『レボリューション6%』でも鉤虫を駆除する効能はあったようです。
しかし「日本では農林水産省に認可を取らなかったため説明書などに記載できなかった」とのこと。
なお「海外では鉤虫駆除に関して認可を取っていた」とのことです。
新旧比較まとめ
『レボリューション6%』から『レボリューションプラス』になったことで以下の部分が変わりました。
- 従来品に比べてノミ駆除効果が早まった
- マダニが駆除できるようになった(SFTSウィルスの駆除はできない)
- 鉤虫駆除の効能の認可を取ったことで表記できるようになった
いままでマダニを駆除するには、別の薬を併用する必要がありました。薬を2つ使うということは、その分費用もかかります。
一つの薬で対処できるようになったことは、消費者としてメリットを感じます。そして何より、愛猫の負担を多少なりとも減らせることに大きなメリットを感じています。
その他、知っておきたいこと
レボリューションプラスに関することを、以下の記事でまとめました。ご参照ください。
▼参考リンク